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これから気になる脱水の話①

2022.06.07

6月に入り蒸し暑い日が続きますね。気候の変動があり体調管理について今一度考えなければならないなぁと思い、今回は脱水について考えていこうと思います。

 

そもそも、1日当たりにどのくらいの水と電解質量が必要なのか。

それを考えるときには、IN/OUTバランス(水分出納)を知っておくことが大切になってきます。

 

〇水分の出納バランスは水分摂取量≧排泄量

 

体の中の水分IN/OUTバランスは、水分摂取量と排泄量が同じであることで保たれています(ゼロバランス)。

そのバランスを保つために必要な水分摂取量は、1日の排泄量を下回らないことということになります。

 

1日の必要水分量

尿量+不感蒸泄+便-代謝水 で求めることができます。

 

*代謝水 → 細胞がエネルギー代謝を行う際に生じるもの。体重当たり5mL。

 

一般成人の場合

・1日の排泄量

 (尿量:1,500mL 不感蒸泄:900mL 便:100~200mL 代謝水:300mL(60㎏成人の場合))

上記の式に当てはめると

1500+900+200-300=2300  となります。

 

よって1日に必要な最小水分量はおよそ2300mLということになります。

 

*不感蒸泄については、成人の場合15mL×体重㎏で求めることができます。

 

☆1日の水分排泄量は、加齢・障害・身体活動量・季節により変化するため、算出にはそれらを考慮する必要があります。

 

〇電解質量のバランスも基本はゼロバランス

 

電解質においても、体の中の水分と同じように恒常性をいじするために必要なことはIN/OUTをゼロバランスが基本です。

定常状態においては、尿中に含まれる電解質量を下回らない量が体に必要な電解質量になります。

 

・1日に必要な主要な電解質量(体重60㎏の人の場合)

 Na:87.5mEq

 Cl:87.5mEq

 K:50mEq

 

塩1gに含まれるNaは17nEqで、1日6gの塩分を摂取すると102mEqのNaを摂取したことになります。ただし、経口摂取の場合にはそのすべてが体内に吸収されるわけではないことも知っておきましょう。